あぶくま洞ヒナノキンチャクについて
あぶくま洞の敷地や周辺の石灰岩地には、全国でも希少な植物や県内で絶滅が危惧されているヒナノキンチャク、ヒキヨモギ、ヤナギタンポポなどの草地生植物が生育しています。石灰岩は炭酸カルシウムを主成分とする鉱物であるため、石灰岩地はカルシウムイオンが多い貧栄養の土壌となり、このような条件に耐えられる特殊な植物の生育が見られます。この岩場と周辺は、そのような植物が生育する貴重な場所です。
ヒナノキンチャクは7~15㎝程度の小さな植物で、名前は果実が巾着に似ていたことに由来します。夏から秋にピンク色の小さな花を咲かせます。全国的にも生育地が20ヶ所程度しかない珍しい植物で、国の絶滅危惧種に指定されています。あぶくま洞は数千個体が生育する、日本最大の生育地です。